柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

中退したことについて

 知ってる人も多いかと思うけど、半年前くらいに大学を中退した。お金が無いのとうつ病が原因だ。

 僕は昔から大学で勉強するのが楽しみだった。ある意味夢でもあった。実際大学にいた時は本当に楽しかった。論文や本を読んで、自分の好きなことを追い求められて、色んなことを知れて、すごく充実してた。知的好奇心の塊だったし、自分の意見や考えを発信できるのも嬉しかった。大好きな教授の研究室にお邪魔したこともあったし、他大学の研究室でも勉強させてもらうくらい熱心だった。そんな充実してた大学生活を送っていたのに、僕はうつ病になった。周りからは頑張りすぎてたんじゃないの?って言われるけど、多分それは直接的な要因にはならない。僕の心を蝕んでいたのは、周囲との"差異"だ。

自分で言うのもなんだけど、明治大学なんて有名大学に来るのは、大半が学歴を求めてきただけで勉強や研究がしたい人間なんかじゃない。まずその意識の違い。自分が意識高い人間かと言われればそんなことはないだろうけど、せめて同じゼミや授業で取り扱ったテーマを議論できるような、他学部他専攻でも時事問題や社会、文化について話すことができる人なんてほとんどいなかった。学歴かモラトリアムを求めてきた人ばかりだった。

 そしてそんな人ほどある程度裕福で何不自由してこなかった人たちばかりなんだ。自分でもこれは単なる僕自身の嫉妬だと分かってはいるものの、そんな人たちに囲まれて、やりきれない気持ちを常に抱いていたんだ。

それに入学当初は酷かった。早稲田が補欠だったとか、模試では早慶がA判定だったとか、同じ明治大学生なのに、くだらないマウントの取り合いを行ってるのを度々目にした。そんなこといいあったって、お前らは塾や予備校に行かせてもらってたくせに。そんな俯瞰をしたこともあった。

 ただ俯瞰したり、気にかけなければよかったものの、とにかくそんな周りとは違う"自分"という立ち位置に不安定さを感じていたんだと思う。明るく自由にのびのび生きている周りの人間に対して負の感情が次第に強くなっていった。

 そしてあるとき、僕は教室に入れなくなった。そこからが僕のうつ病の、不安障害の始まりだったんだと今では思う。医者いわく、幼い頃から家庭環境が悪いと大人になったとき精神疾患に陥りやすいらしいから、その大学時代の周りとの"差異"だけが原因ではないにしろ、やっぱり今でも親のお金で大学へ行って不自由なく適当に学生をしている人間を見ると、嫌な気持ちになる。嫌な気持ちになってしまう自分はもっと嫌なのだけれど。

 本当はもっと勉強したかった。卒論も書きたかった。大好きで尊敬する先生のもとにいたかった。それに当時は尊敬する先生から褒められるのがすごく嬉しかった。今まで褒めてもらえることなんてそうそうなかったからだ。今でも提出したレポートに「大変深い考察であり、感動しました」というコメントを大事にスクリーンショットに保存してある。

 悲劇のヒロインぶりたいだけなのだけれど、なんで僕が大学を離れなくちゃ行けなくなったのか、それを考えるだけで涙が出そうになる。なんで僕だけ。そういうマイナスな思考を取り払って前を向かなくちゃいけないのは分かってる、充分分かってるのだけれど、どうしてもやりきれなくて、時折心が折れる。だから今のところ、また大学を行くことを目標にしてる。それに単に僕は「若いのに頭がいいね」と褒められたかっただけの承認欲求の塊みたいな醜い人間だったから、神様が僕に挫折を味合わせただけなのかもしれない。

 とにかく前を向くしかないのは分かっていても、こんなブログでもいいから愚痴を吐かないと気が済まかった。

 もしここまで読んでくれた学生の人がいるなら、僕の分まで思いっきり勉強して欲しい。そのための大学なのだから。