柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

詩⑨

両手に余る憂鬱を晴らすための画面越し
どこからがありふれた日常か分からなくなってしまった
都会に溢れる屈折はやり過ごすための工夫だろう
どこだっけ馬鹿みたいな笑い声聞いたのいつかの日

きっとみんなは上手にやれているのでしょう
ずっと飲み続けた錠剤、中に何入ってんだろう

液晶に映る君は架空の季節の中に
だけど天使に思えてしまうのは
僕が弱いから、もろいから
未だに踏切を越えられない
越えられないよ

天才だった頃に戻れたら
何にだってなれたあの頃に戻れたら
なんて考えてもキリがない

液晶に映る君はゼロ距離でも届かない
だけど欲してしまうのは
僕の心が壊れてないから、ギリギリ保ってるから
未だに過去を振り切れない
振り切れないよ

でもいいんだ
画面越しの君が教えてくれた
妥協するのが大人なら
夢を殺すのが社会なら
僕は一生子供のままでいい!

トランジスタの音が好き
今からツマミ回すから
そこで聴いていておくれ
最大音量くらっておくれ

歪みきったコードかき鳴らしてる時は
誰にも負けない気がした
こんな日々がずっと続くならこれでいいだろう
はったりだらけの歌詞でもいいさ
電気信号の君でもいいさ
物語の数だけ君を愛してきたように
多少欲張りな方がきっと生きやすいさ

そっちの世界はどうだい
こっちの世界も悪くない
この曲はスリーコードでいいかい
絶対解なんて存在しない世界
この時は今しかない
だから君はそこで見ていておくれ
12.5インチは息苦しいかもしれないけれど
目覚まし時計はいつか鳴り響くけど
今だけはこの歌を聴いておくれ
オーバードライブ、ジャズマスター、ノイズだらけにリバーブ
そうさ、ロックンロールをくらっておくれ
君の翼が折れるくらいの最大音量で