柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

生きることとヒトリエと

 お久しぶりです。

 去年の11月から先月まで精神病院に入院していました。なんとか退院できて社会復帰へ少しずつですが向かっていってる中でこのブログを更新させていただきます。

 事の発端は2020年の夏が終わった頃に遡ります。発端と言っても何か問題や出来事があったわけではありません。小さな悩みから大きな悩みまで、色んな辛いことが積み重なっていった結果、鬱が酷くなっていった感じです。

 コロナのせいで、僕だけでなく、世間の方々も疲れたり辛いことが多くなった1年だったかと思います。僕もそのうちの1人で、もともと精神疾患をもっている分、そういった苦痛や悩みが体調に出やすかったのだと思います。オンラインですが大学の授業も出席できず、それどころか外に出たり人とオンライン上でも関わる気力がなくなり、ほぼ寝たきりの状態で過ごしてました。そんなときに音信不通になってることを母親が心配したのか、僕の住んでるマンションの管理会社から鍵を借りて、僕の部屋に様子をみにきました。そこで死んだように倒れている僕を発見して、この状態はマズイと思ったのか救急車を呼んで、そのまま精神病院に即入院というかたちになりました。これが事の顛末です。

 結果として入院して良かったと思います。色んな人が僕に優しく接してくれました。看護師さんから療法士さん、同じ患者さんに至るまで、たくさんの暖かい優しさをもらいました。ありがたい限りです。

 3ヶ月という長いようで短い期間でしたが、無事元気を取り戻しつつあります。Twitterでも言ったように大学は中退になりましたが、就活に精を出せるくらいには回復してます。

 本当なら入院中の出来事や優しく接してくれた方の話を詳しく綴りたいですが、これに関しては本当に長くなってしまうので省かせていただきます。

 もうひとつの本題はタイトルにもあるように、ヒトリエというバンドについてです。

 僕は前からヒトリエというバンドが大好きです。ボカロPだったwowaka(以降敬称は省略させていただきます)を中心に発足したバンドです。「ローリンガール」や「ワールズエンド・ダンスホール」の作曲家といえば知ってる方も多いのではないでしょうか。そんなフロントマンであるwowakaがメインで作詞曲をしてギターボーカルを務めていました。

 ですが2019年の4月にwowakaはこの世を去ってしまいました。wowakaは僕の憧れでした。でしたというよりか今でも憧れです。

 そんなフロントマンを失ったヒトリエがどうなっていくのか、入院以前から気にしていました。3人体制になっても既存の曲で全国ツアーをしてはいましたし、追悼ライブでは「解散はしないと思います」と明言してましたが、新曲は出すのかどうかは分かってませんでした。

 そんな中で僕は生きることに絶望し、不安感や虚無感に覆われて、強制入院するに至ったのです。少しずつ精神病棟で治療していくなかで、ヒトリエが新曲を出したことを知りました。基本的にスマホやパソコン等は病棟に持ち込んだり使用したりできないのですが、作業療法の一環でサブスクリプションを使って音楽を聴ける時がありました。そのときに3人体制のヒトリエ初の新曲「curved edge」を発表したのを知って聴きました。

ヒトリエ『curved edge』 / HITORIE - curved edge - YouTube

 その曲を聴いているとき何故か涙が出てきました。泣けるような感動的な、エモーショナルな曲ではないかと思います。それまでのヒトリエよりもオルタナティブ色の強い、マイナー調の鋭角サウンドが耳を刺すような、決めのリズムで楽器隊が殴ってくるような、そんな曲です。

 それでも泣かずにはいられなかったのです。ひとつはヒトリエが歩みを止めず進んでいったことに、ふたつめに今までのヒトリエとこれからのヒトリエを示すかのようなshinodaの歌詞に。そして曲を通して僕自身とヒトリエが重なって聴こえたことに心が揺さぶられたのです。

 救いってものがこの世界にあるなら、間違いなくこのときの感覚のことを指すのだと思います。

 それから僕が退院して数日後に『REAMP』というアルバムが発表されました。今日に至るまで何度もリピートしてます。全曲の作詞はshinodaですが、shinodaだけでなく、ベースのイガラシとドラムのゆーまおも作曲に参加してます。ヒトリエだけど1人じゃない。それでいて独りだと感じてしまう僕のような人間の心を射抜くようなアルバムだと思います。

 ヒトリエが歩みを止めないからこそ、僕も勇気や希望をもって生きていけます。本当にありがとう。本当に。

 このアルバムの最後に収録されてる「YUBIKIRI」という曲にこんな一節があります。

 だからまた声聞かせて

もし消えたくなったら

誰より先に

僕に知らせてくれ

 ヒトリエ『YUBIKIRI』 / HITORIE - YUBIKIRI - YouTube

 この一節で自分は決して独りなんかじゃないんだって気付かせてくれました。

 だからヒトリエが僕を救ってくれたように、誰かを救える人間になりたい。だからまずこの先何年も生き抜いていこうと思います。