ペットボトルが捨てられない私たち。

 突然ですが、みなさんはカバンやリュックの中にペットボトルのゴミが堆積してしまった…なんて経験はありませんか？

 ｢何を言ってるんだこいつは…｣と思ったアナタは恐らく正常で健全な人間です。ですが、世の中にはゴミを捨てられない、ペットボトルをカバンの中に入れっぱなしにしてしまう人間が多かれ少なかれ存在するのです。それが僕たちです。

 最近やたらとADHDや発達障害などが取りだたされますが、生活に支障がでるほどではなく診断はおりないけれど、若干でもそういう気質があるなと思ったことがある方も少なくないかと思います。診断付きか否かに関わらず、そういった人たちと話をする中で必ずと言っていいほど触れるのが、この｢ペットボトル捨てられない問題｣です。

 まあなんとも不思議なことに僕らはペットボトルを捨てられない。空のペットボトルや飲みかけのペットボトル、水やお茶、ジュースまで多種多様なペットボトルたちが僕らのカバンの容量を食っていく。普通なら邪魔になると感じてすぐ捨てますよね。でも僕らはそんな当たり前のことが何故かできない。ならその理由はなんなのか。箇条書きでまとめてみますと、

・ペットボトルは他のゴミと違いラベルやキャップを外して、地域によっては洗浄する必要があるなど捨てるまでに手間がかかる

・そのため捨てるのが面倒になりとりあえずバックに入れておく

・あとで捨てようと思って放置してそのまま忘れる(ラベル剥がしたり洗ったりするの面倒だからあとでコンビニで捨てようと思いそのまま放置)

・中途半端に飲みかけだと飲む気も無くなるうえに、捨てる気にもなれずそのままにしてしまう。

・最近だと｢いろはす｣のように潰して小さくできるペットボトルが増えており、潰して小さくしただけで処理が終わったように感じてしまう。

・そもそも物が捨てられない

・外出時だと周りにゴミ箱がなかなか見つからずあきらめて放置

などなど、上げていくといろいろな要因が見つかります。

 その中でも一番の要因になってるのは｢そもそも物が捨てられない｣という僕達自身の性格にあるかと思います。

 ｢ペットボトル捨てられない問題｣というのはペットボトルだけが捨てられないのではなくて、｢ただでさえ物の整理や処分ができないのに、特にペットボトルは整理処分の難易度が(僕達からすると)高すぎる｣ということにあります。

 ペットボトルに端を発したことではないのです。カバンの中を見てみればそれこそゴミのオンパレード。基本ちまたのゴミ箱は種類によって分別されていますが、僕らのカバンはそうではない。ゴミからゴミにしちゃいけないものまでざっくばらんに揃えられてます。まさにゴミのオールスターズ、色とりどりのゴミ畑なわけです。

 ペットボトル以外によく僕らのなかで話にあがるものとしては、まずプリントがあります。なんでみなさんはプリントがきちんと整理できているのでしょうか。不思議です。僕らのカバンの一番下にはクシャクシャになったプリント、歪に折りたたまれたプリントが他のゴミや物たちの下敷きになっています。小学生から大学生の今に至るまで、プリントはとりあえず突っ込むというのがデフォなので、大事なプリントまでゴミのようにクシャクシャになってしまい、存在を忘れて捨ててしまったり提出できなかったりと、大人たちから多くの叱責を買いました。ファイルに入れることも一時期覚えましたが、それで整理した気になって、ファイルがパンパンになるまでプリントを溜め込んでました。何故かファイルに挟んであるのにプリント類はしわくちゃになってしまいます。世にも奇妙な話です。

 そして情けないことに今もその癖がなおりません。昔よりはマシになりましたが。まあとやかく言い訳を言っても無駄ですね、僕が悪いです。社会人になる前に何とか整理できる人間に成長していこうという所存でございます。

 次によく出てくるのは飴やガム、タブレットの類です。これが一番やっかいです。最悪なのは飴やタブレットを買ったはいいものの、食べきらずにカバンの中に放置していると、中身が出てきて、夏場の暑さで溶けて、プリントや他の私物にベタベタくっつくことです。これこそ毎年夏の風物詩。カバンの底に飴やタブレットが溶けてベタベタなコーティングができると、今年も夏がきたんだなと趣深い気持ちになります。いやまあ最悪なんですけどね。大事な書類や教科書が酷いありさまになるので。

 そんなわけでペットボトルやプリントなど様々なゴミが、物を捨てられない僕達のカバンの中を彩ってるわけです。ここまで話してきましたが、別にオチがあるわけではないです。オチを考えて話ができるほど物事の整理ができるなら、カバンの中はゴミだらけにならないのですから。

 ではなんで話したかというのも、なんとなくです。最近僕は注意欠陥、健忘が酷くなってきており、僕にとってホットな話題だったからです。このズボラさは色んな要因があると思いますが、少なくとも僕は意識でなんとか改善できるかと思うので何とか整理整頓できるように習慣付けたいですね。というか整理整頓できないとまずいのですが。

 最後に言い訳がましいことをいいます。ペットボトルが、プリントが、食べかけのお菓子が捨てられない僕たちは根はいい人間なんです。だってゴミをそこら辺にポイ捨てするなんて良心が許さないからこそ、自分自身で抱え込み続けてしまうわけですから。そういう人間性がカバンの中に現れてるんですよ。