柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

文学

Girl in Utero

退廃的ってなんだよ。都会的ってなんだよ。耽美ってなんだよ。私はそういったものがだいっ嫌いで仕方がない。そういうにひたって、そういうのを崇拝しているやつらを見ると吐き気がしてならない。私が住んでる田舎の街にも、一定数そういうやつはいる。むし…

不死身のガールフレンド

「私、死ねなくなっちゃった」 夕暮れ時の帰り道で久しぶりに会った彼女はそう言った。 僕は学校から帰る途中だった。でも何だかすぐ家に帰るのはもったいなく感じて、でも何か用事がある訳でもないから、手持ち無沙汰な感覚で駅の周辺を散歩していたところ…

ライフル・ライフ

【1】 私にはライフルしかなかったし、血と硝煙の匂いだけが私を満たしてくれた。 私の国N共和国は隣国のS帝国ともう2年近く戦争をしている。そして最前線の西部戦線に配属されてから3ヶ月以上が経っている。 私の住んでる国、N共和国は自由と平等を近隣諸…

芥川龍之介「葱」のメタフィクション性と知識人のサンティマンタリズムについて

昔好きだった大学の先生が、「大変深い考察であり感動しました」と言ってくれたレポートを載せます。自己満と記録用ですが、自分でもよくできたと思うので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。 Q. 芥川龍之介「葱」のメタフィクションの特徴を説明した…

燃えるスカートの少女

今、前使っていたスマホの画像データを整理している。たった2、3年前なのにとても懐かしい。思い出は綺麗だ。経験した出来事はだいたい当時よりも時間が経ってからの方が美しく感じる。 以前僕が図書委員会の会報か何かで書いた書評が出てきた。エイミー・ベ…