柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

映画や本の話を出来ない自分

 僕は映画や読書が好きだし、好きということは当然共通の趣味を持つ人とコミュニケーションを取りたいと思う。けど僕はなかなかしない。心の許したひと握りの人としか話さない。それは自分がそこまで詳しくないニワカだからと言うのもあるが、何故か読書と映画に関しては僕のパーソナルスペースにあたるからだ。

 おすすめの本をSNSで聞くこともある。おすすめの映画を聞くことだってある。けれど共通の映画や本に関することで人と話すことはほぼ無い。自分から感想を大真面目にツイートすることもほぼ無い。

でも何故か音楽の話はよくする。僕にとって音楽の方が幾分ラフな趣味なのだ。音楽の話をしてる時は自分のパーソナルスペースに侵入されてる不快感をあまり感じない。とはいっても音楽の話は大学入ってサークルに入ってからよくするようになったから、そこらへんは慣れなのかもしれない。

 それに比べて映画と読書、とりわけ小説に関してはあまり人と話さない。僕の好きな作家といえば、村上春樹芥川龍之介舞城王太郎佐藤友哉、三秋縋、橋本紡とかなんだけど、村上春樹くらいしか共通の話題にあがりそうな作家がいないというのもある。それに村上春樹ファンは退廃的な空気感が好きで僕とは相容れない人に思える。映画ファンも評論家チックで思想家のようなお堅いイメージを勝手に思ってる。

 読書は僕の青春時代を構成する重要な一部だからこそ、そこに踏み入れられたくないのかもしれない。高校のとき好きだった子と同じ空間で読書をして、同じ空間で感想を言い合ったり議論を交わしたりした思い出が強く僕を構成する部分に関与してるから、その思い出を高貴なものとしてしまってるがゆえに干渉されたくない趣味になってしまったのかもしれない。それに、亡くなった父親が本好きだったのも希少な思い出となって、本という話題によって人と仲良くなることを踏み出せない要因でもあると思う。

 本当は色んな人と好きな共通の小説や映画の話をしたいのになかなかできないのは、結局のところ僕のプライドのせいな気がする。だからせめてこのブログだけでも書評とまでいかなくても、何か書いていきたいなと思う。このブログだけは僕の心の許せる場所だから。