柏原さんの日常

おるたなてぃぶな生活を

詩②

街宣車、思想家たちは祭囃子

雑踏に叫ぶ、彼らの愛。それもまた雑踏に変わる

ローファー、サンダル、スニーカー。普遍になってアンサンブル

絶対がないことを知ってる人はどれほどいるんだろう

思想家、それでも叫ぶ。彼らの愛

流動する都市、激情さえ無知、並行した是非

誰もが浮遊する球体の中を泳いでいる

 

あぁ、まただ。また呼ばれている

歩道橋の上、すれ違う度に、ノイズ

スローモーション、魚だ!ここは水槽!

 

思想家が叫ぶ。ノイズの海に。

彼らも魚、革命家の夢をみるだけ

 

あぁ、終末だ。今日も。

水槽に紫陽花の血液が流れ込む

祭囃子もオーケストラも呑んだ

ふいに静寂、ここは夏

張りついたシャツに煩悩、拭えない

こんなもんだ、革命家はいやしない

老婆が階段を降りる

思想家、それでも叫ぶ

形にならない愛を、正義を

侮蔑の目を向ける僕

魚群に背を向けて

今日もまた善人ごっこ